不動律
一つ。流民王国に暮らす者は、北天の不動星を指針としながら頼らず、不動明王の加護を頂いて驕らず、この世の王城楽土具現のために心を尽くす。
二つ。流民王国に暮らす者は、不動律に従って指導する誓仙童子、祈仙童女、妖仙童子の教えに従いながら、すべてを委ねて怠惰にならず、自らの進取の精神で貢献しようと心を尽くす。
三つ。流民王国に権力は存在せず、一人一人が指導者としての自覚を持って、神を目指し、仏を目指し、もしそれから逸脱する者、脱落する者が現れたときには、その真相を突き止め、災いを取り除き、諭し、励まし、支え合うことに心を尽くす。
四つ。流民王国に暮らす者は、近隣の者を従えるのではなく、自ずと憧れ、慕ってくることを願い、共に暮らそうとする者は誰であれ、それを包み込もうと心を尽くす。
五つ。流民王国に暮らす者は、降りかかってくる苦難はすべて、それぞれが己に対する神仏の与えた試練として受け止め、さらなる人格の高揚のために心を尽くす。
六つ。流民王国に暮らす者は、この世にある命を慈しむ気持ちを持ち、いたずらにその命を奪うことはせず、むしろ育てることに力を注ごうと心を尽くす。
七つ。流民王国に暮らす者は誰であれ、その暮らした場、暮らしのあり方、暮らしの差に差別せぬことに心を尽くす。
八つ。流民王国に暮らす者は、神に挑む活力を持ちながら神を侵さず、仏の限りなき慈悲の心を持ちながら溺れず、激しさと優しさを持って人の善導に心を尽くす。
九つ。流民王国に暮らす者は、それぞれが自由に生きながら流民王国の危機と判断されるときは、結束してその障害を取り除くために努めるように心を尽くす。
十 流民王国に暮らす者は、すべての者が共に安穏な暮らしを享受し得ることを願い、共に労苦を惜しまずに働き、贅を求めず、心の豊かさを誇りとしていけることに心を尽くす。
暮らしの不動律
一つ。流民王国に暮らす者は、見かけの姿に囚われず、みだらな噂に踊らされず、誓仙童子、祈仙童女、妖仙童子の指導に従い、あくまでも真の姿を見ることに努めよう。
二つ。流民王国の暮らしに疑念がある時は、直ちに司務所へ申し出て、納得できるまで話し合おう。
三つ。自然にあるものは徒に収穫せず、蓄積せず、必要なものを必要なだけ採取して、自然との共存を図り、時にはその保護のために力を注がなくてはならない。
四つ。富を独占することは、いさかいの因となり、安らぎの場を失わせることになる、いさかいを生む、みだらな収穫や蓄積を慎む。
五つ。得難いものを発見した時は、それを流民王国に暮らすすべての者のために捧げて、喜びを共有し、すべての流民王国の者の暮らしの支えとしよう。
六つ。見かけの奢侈を誇らず、心の美しさこそ誇りにしよう。
七つ。心にかかることは、不動宮へ届けて相談し、わだかまるものを持たずに平穏な暮らしを求めよう。
八つ。暮らしの智恵は一人のものではなく、流民王国のすべての者に分け与え、共にそれがもたらす益を持ち合おう。
九つ。平穏であっても無気力ではなく、豊かであっても驕らず、活力に満ち溢れても野卑にならず、高い志に支えられた流民王国にしよう。
十 流民王国の繁栄は独占せずに、蝦夷に暮らす者すべての者に分け与え、理想郷を具現しよう。